金融市場ラインマーカー

豪州 約7年ぶりの利下げについて

2008年09月05日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

市場の予想通り、オーストラリア準備銀行(RBA)は9月2日に政策金利を約7年ぶりに0.25%引下げ、7.0%とすることを決定しました。今回は、この点に焦点を当ててみたいと思います。

原油価格と政策金利

出所:ブルームバーグ

鉱産資源の主要産出国である豪州は、コモディティ価格の高騰を追い風に景気が拡大、原油価格の高騰もあり、インフレ懸念が高まっていました。このため2002年5月以降、利上げが実施されてきました。しかし景気減速の兆候が見られる中、原油価格の反落もあり、金融緩和に転換しました。

主要国の実質政策金利と名目GDP

グラフ:右上方向=実質政策金利高/GDP成長率高
左下方向=実質政策金利低/GDP成長率低

豪州は他主要国に比べ、名目GDPが高く、実質政策金利が高水準になっており、金融環境は他国比、より引き締め的であるように見えます。このため、今回の利下げは、大幅な緩和環境への転換を意味するのではなく、大幅な引き締め環境の反動・水準訂正と見る向きもあるようです。

失業率と政策金利

出所:ブルームバーグ

過去の利下げは、失業率が基調として上昇する局面で行われてきました。今局面では、歴史的に見て最低水準の失業率水準の中で利下げが実施されています。

小売売上高と政策金利

出所:ブルームバーグ

過去の利下げは、小売売上高が大幅に低下する局面で実施されてきました。今局面でも小売売上高は低下していますが、その下げ幅は過去との比較で、まだ小規模なものに留まっているようです。

住宅建設許可件数と政策金利

出所:ブルームバーグ

過去の利下げは、住宅建設許可件数が-20%以下への大幅低下後に実施されていました。今局面での同指数の下げ幅は過去に比べて限定的ですが、利下げが実施されています。ちなみに、利下げ後は、その効果もあり住宅建設許可件数は急上昇する傾向があるようです。

1年後の豪米予想政策金利差(※)と豪ドル

出所:ブルームバーグ
  • OIS市場ベースで算出

今回の利下げを受けて、豪ドルは下げ幅を拡大しました。但し、市場参加者の予想を反映するOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場ベースでの1年後の豪-米の政策金利格差に比して、豪ドル安は、ややオーバーシュート(過剰反応)に見えます。先行きの金利差との比較感で言えば、豪ドル高騰の水準訂正は峠を越えたようにも見えます。

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