金融市場ラインマーカー

ファニーメイとフレディマック(GSE)について

2008年07月16日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

米住宅金融政府公社であるファニーメイとフレディマックの経営に対する不安感の台頭を受けて、両社の株価は大幅に下落しました。一方、債券市場の反応は、株式市場と異なり、政府の両社への支援策が好感され堅調な展開となっています。今回は、両社の調達手段の一つであるエージェンシー債と運用手段の一つであるモーゲージ証券(MBS)の動向について紹介したいと思います。

現状、GSE(ファニーメイ、フレディマック)は、以下の政府支援策のように、与信枠拡大を必要としていませんが、政府の支援策について、議会の承認(法案として承認)を得ることは、暗黙の政府保証(※)と称される、両社と政府との関係の更なる深化を連想させ、信用の高まりから、債券市場は好意的に評価しています。

政府支援策の概要

  • 財務省が必要と判断すれば、GSEの政府与信枠(現行22.5億ドル)を引き上げ、財務省がこれらのGSEの株式を購入することが可能になる法案の議会承認。
  • ニューヨーク連邦銀行がGSEに公定歩合での貸し出しができるようにする。
  • GSEが破綻した際に、連邦政府が介入し、債務保証等を行うだろうとの概念。

モーゲージ証券(MBS)と国債の発行残高

出所:SIFMA

モーゲージ証券(MBS)の発行残高は、米国債を上回っており、世界中の金融機関および投資家が保有しています。万一、GSEが破綻した場合は、世界の金融機関および投資家に壊滅的な打撃となるでしょう。このため、米政府は早急な支援策を打ち出し、混乱の早期収束を意図した訳です。

エージェンシー債の発行残高

出所:ファニーメイ、フレディマックHP

エージェンシー債の発行残高も巨額であり、こちらも世界の金融機関および投資家に保有されています。万一、両社が破綻し、債務不履行にでもなった場合、世界の金融市場および投資家は恐慌状態になるでしょう。巨大すぎて潰せない金融機関の代表がGSEです。

エージェンシー債と米国債の利回り格差

出所:メリルリンチグローバル指数、ブルームバーグ

エージェンシー債は、暗黙の政府保証も手伝い、高格付け(AAA格)を維持しています。このため、米国債との利回り格差は低水準で推移しています。ちなみに、同年限、同格付けの他の社債指数と米国債の利回り格差との比較からも、その格別の信用の高さが示唆されています。

モーゲージ証券(MBS)と米国債の利回り格差は、GSEの経営不安観測で一時拡大しましたが、その後の政府の支援策発表を受けて、縮小しています。

ファニーメイMBSと米国債の利回り格差

出所:ブルームバーグ

フレディマックMBSと米国債の利回り格差

出所:ブルームバーグ

MBSはキャッシュフローが前倒しなので(元利均等返済+繰上げ返済)、30年満期のMBSでもデュレーションが5年未満(しかも常に変化)と短くなっています。このため当資料では簡略化し、米国5年債との比較を行っています。

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