金融市場ラインマーカー

インフレの種類とその現況

2008年07月14日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

インフレとは、モノの価値が上昇し、おカネの購買力が低下することです。その発生原因は
(1)生産コスト(原材料・賃金)が上昇することで起こるコストプッシュインフレ
(2)景気が過熱上昇し、総需要が総供給を上回ることで起こるデマンドプルインフレ
があります。今回は、両インフレの進行状況に焦点を当ててみました。

コストプッシュインフレの現状(1)

出所:OECD、ブルームバーグ

2006年後半以降の急激な原油価格を中心とした原材料価格の高騰に連動し、OECD諸国の消費者物価も急上昇しています。

コストプッシュインフレの現状(2)

出所:OECD、ブルームバーグ

原油高騰などの原材料高は、企業の生産コストの急速な上昇につながっています。このため、OECD諸国の生産者物価指数は約13年ぶりの高い伸びとなっています。

コストプッシュインフレの現状(3)

出所:OECD、ブルームバーグ

GDPランク世界No.1の米国や同No.2の日本では景気の減速を受けて、賃金が頭打ちとなっています。足元はその傍らで、インフレが加速しており、過去と比べても異例な状況となっています。このことから現状はコストプッシュインフレとはいえ、原材料価格高騰に主導されたものであることがわかります。

デマンドプルインフレの現状

出所:IMF

一国の総需要(実際のGDP)が総供給(潜在GDP※)を上回ることで起こるインフレをデマンドプルと言いますが、その状態を検証する指標の一つにGDPギャップ<(実際のGDP-潜在GDP)/潜在GDP>があります。IMFのGDPギャップ推計によると、日米欧とも供給が需要を上回った状態であり、デマンドプルインフレは起きていないように見えます。

  • 労働力や資本・設備をフル稼動して得られる生産の上限(国の総生産の潜在能力)

米国のガソリン消費がGDPに占める比率

出所:Bureau of Economic Analysis

過去、原油高騰を受けたインフレ局面では、物価高騰から消費者がガソリン等の消費を抑え、原油価格が需要と供給が均衡するところまで下がるという、インフレの自動調整メカニズムが働いてきました。この先、原油価格がどこまで上がれば、需要は衰えるのでしょうか?何かの目安はあるのでしょうか?ちなみに、過去1980年代の原油価格高騰時は、米国のガソリン消費の対GDP比が3%強を示現しました。それを起点に需要が減退し、原油価格は長期に渡り低迷しました。つまり、価格の自動調整メカニズムが働いたわけです。

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