金融市場ラインマーカー

各国の金融政策について

2008年06月30日号

金融市場の動向や金融市場の旬な話題の分析と解説を行います。

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金融市場動向

6月下旬には、米国、ノルウェー、ポーランド、ハンガリー、インド等の金融政策が相次いで発表されました。原油を中心にコモディティ価格が高騰する中、各国金融当局はインフレと景気に配慮した金融政策を決定したようです。今回はこの点に焦点を当てました。

米連邦準備制度理事会(FRB)は6月25日のFOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利であるFFレートの誘導目標を2%に据え置きました。声明文では「景気に対する下振れリスクは残るものの、幾分か解消された。」「インフレと期待インフレに対する上振れのリスクが高まった。」との主旨が表明されました。
また、8月のFOMCでの利上げを明確に示唆するような表現はありませんでした。これを受け、市場で台頭していた早期利上げ観測は後退した模様です。一般的に利上げは、インフレと景気が過熱した状態で行われますが、米国の現在の金融政策決定は、異例な環境で行われています。つまり、インフレ上昇(グラフ1参照)かつ景気減速局面(グラフ2参照)です。 2007年夏場以降から2008年4月末までは景気に軸足を置いた金融政策(利下げ)が実施されてきましたが、それ以降は金融政策決定の軸足がインフレ抑制にシフトした模様です。だから、今回は金利が据え置かれたのかもしれません。

(グラフ1)米国の政策金利と消費者物価指数

出所:ブルームバーグ

(グラフ2)米国の政策金利と新規失業保険申請件数

出所:ブルームバーグ

(グラフ3)各国の政策金利

出所:ブルームバーグ

6月下旬には各国の金融政策の決定が発表されましたが、市場の注目点はインフレへの配慮を各国金融当局がどのように考えるか、そしてそれを金融政策にどう反映させるかでした。6月下旬に利上げがあったのは、ノルウェー(+0.25%)、ポーランド(+0.25%)、メキシコ(+0.25%)、インド(+0.5%)利上げの理由は主としてインフレ抑制が挙げられます。一方、金利据え置きはハンガリー、米国でした。

(グラフ4)対円通貨パフォーンス(2008/4/1~6/26)と政策金利の関係

出所:ブルームバーグ

4月初頭を境に市場の最大のテーマは金融危機からインフレにシフトした模様です。このため、この期間の通貨市場では、各国の利上げの思惑を含む金利差の優劣を反映した通貨のパフォーマンスが観測されます。グラフ4は横軸に政策金利水準、縦軸に対円の各国通貨パフォーマンスを表示したものです。政策金利が高い国、もしくはインフレ観測が強く、利上げ観測が強い国の通貨がより高い対円通貨パフォーマンスを示す傾向があります。

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