第3章 リスクは海図の時代からあった!

では、どうすれば利回りを高くして資産を増やすことができるでしょうか? 株式は確かに大きく上昇し、短期間で資産を増やす魅力がありますが、同じくらいの確率で資産を減らしてしまうこともありえます。誰でも大事な老後資金のためにそんなに大きなリスクをかけたくないはずです。リスクはとりたくない、資産は増やしたい。これではまた、振り出しに戻ってしまいます。

元本割れを起こす可能性があるが、収益性が高いと見込まれる金融商品の保有について、「積極的あるいは一部を保有しようと思っている」人は20%未満となっています。(図1-17)。

(図1-17)
●元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有 《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:金融広報中央委員会「平成23年 家計の金融行動に関する世論調査」

残りの人は値上りを期待しつつも、それ以上に値下がりを恐れているのでしょうか。日本人の貯蓄現在高が40歳代で平均1,000万円を超えているといっても、900万円以上の負債もかかえています。その負債額は年収よりも多く、ほとんどの負債が住宅ローンだと容易に察しがつくでしょう(図1-18)。

(図1-18)
●世帯主の年齢階級別貯蓄・負債現在高(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)-平成23年- 《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:総務省「家計調査年報 平成23年貯蓄・負債編」

これでは、なかなかリスクは取れません。また、リスクの意味を知ろうという気持ちにもならないでしょう(リスクについては後で詳しく説明します)。 「働きざかり(30代・40代)のライフプランニング意識調査」(日本FP協会 2010年調査)によれば、今後の金融資産運用について、回答者の71%が「元本が保証されているものを選ぶこと」を重視すると回答しており、リスク回避の傾向が見受けられます。

よく知られている「ベニスの商人」(シェイクスピア作)では、全財産を出資した貿易の船荷が航海ですべて難破沈没し、破産してしまう主人公の話が出てきます。中世では船荷に出資を募って、貿易によって儲けた莫大な利益を出資者に配分するという、後に述べる投資信託の原型ができていました。ここでは、中世の海図の時代にならってリスク(難破破産)とリターン(利益配当)についてちょっと見てみましょう。

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