第1章 預貯金の運用では資産形成はムリ?

これから定年退職を迎えるほとんどの人が老後の生活資金が足りていないと考えています。これは、漠然とした不安ではなく、今までのさまざまな調査結果が示しています。それだけ不安は切実なものとなっています。

「平成22年度 生活保障に関する調査」(生命保険文化センター)によると、自分の老後の日常生活費を公的年金でまかなえると考えているかをみると、「まかなえるとは思わない」は81.3%と8割を超えています。また、老後のための私的な経済的準備に公的保障や企業保障を加えた老後資金の充足感をみると、「充足感なし」は74.9%と、4人に3人が「充足感なし」と考えています。

そういう人たちが、老後資金の不足を補う方法として考えているのが預貯金や個人年金保険。これから準備するものも含めて、どのような手段でまかなっていこうと考えているのかをみると、「預貯金」(67.9%)、「個人年金保険」(30.7%)となっています。

今50歳代で、退職までの10年間に3,000万円を目標に運用するとなると、仮に毎月3万円の積立でなんと34%もの運用利回りが必要となってきます。34%という数字は無理にしても、それだけ運用が必要であるにもかかわらず、実際に日本人が保有している金融資産の割合はというと、たいていの人が預貯金と保険です。今後保有しようと思っている金融資産も預貯金と保険が中心で、株式、投資信託など収益性のある資産で運用しようと思っている人はまだまだ少ない状況です(図1-13〜14)。

(図1-13)
●世帯主の年齢別にみた金融商品保有額の種類別構成比(二人以上の世帯/貯蓄保有世帯)《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:金融広報中央委員会「平成23年 金融行動に関する世論調査」よりモーニングスターが作成

(図1-14)
●今後の金融商品の保有希望(二人以上の世帯) 《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:金融広報中央委員会「平成23年 家計の金融資産に関する世論調査」
※複数回答可

都市銀行の普通預金が0.02%程度しかない現状の金利(2012年7月現在)では、不足する生活資金をつくることはとうてい実現しそうもありません。だからこそ、多少の「リスク」はとっても株式や投資信託、債券などで積極的に運用していく必要が出てくるのです(リスクについては、これから詳しく説明していきます)。

資産運用の知恵袋
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