第5章 月25万円では足りない?

総務省の調査で見ると、老後の最低必要となる生活費は月額24万円(平成23年)と出ています。これは最低限のラインですので、少しでもゆとりある生活をしたいという場合は、これに月額10万円以上も上乗せして36.6万円となります(生命保険文化センター 平成22年)。これに対して収入はどうかというと、1世帯当りの平均所得は25.5万円(年間307万円)、最低ラインをクリアして、なんとか収支トントン、無事すごしていけそうに見えます(図1-7)。

(図1-7)
高齢者世帯の平均所得額(年間) 《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:厚生労働省「平成23年 国民生活基礎調査の概況」

しかし、調査結果をよく見ると、公的年金でまかなえるのは月額にして17万円(年額207万円)にしかならず、最低ラインの生活に対して不足分は月に7万円にもなります。ゆとりある生活のためにはざっと19万円も足りなくなります。この不足分を何で補っているかというと、約4万円は稼動所得。つまり老後も働かなくては最低ラインの生活もままならないという事実が浮かびあがってきます。結局、残りは貯蓄の取り崩し、個人年金などに頼ることになります。

高齢者が働く理由は、経済上の理由がほとんどです(図1-8)。生きがいや、経験と時間を有効に生かして、ボランティアや趣味など好きなことをやって、いきいきと楽しく過ごせる人、そういう人たちはまだまだ少数なのです。

(図1-8)
収入のある仕事をしている理由 《 提供:モーニングスター(株) 》

出所:内閣府「平成23年度 高齢者の経済生活に関する意識調査」

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