第4章 「リスク分散」による資産の組み合わせ方

それでは、主要6資産(国内、先進国、新興国の株式・債券)をもとに資産配分を行ってみましょう。ここでは、あまりリスクを取りたくない投資家を想定し、リスク水準の低い国内債券、先進国債券を中心にポートフォリオを構築することとします。このような条件の下で、年率3%前後のリターンを目指すポートフォリオは例えば次のようになります。

  国内 先進国 新興国
株式 8% 5% 5%
債券 50% 27% 5%

(図5-5)は上記のリスク分散のポートフォリオと国内債券、先進国債券のリスク・リターンの関係を表すグラフとなります。このポートフォリオのリスクは国内債券と先進国債券の中間付近に位置しており、過度のリスクは取っていないことに加え、国内債券、先進国債券を上回る収益を獲得しています。リスク分散を明確にすることで、リスク・リターンの双方を考慮した、より効率的な運用を実現することが可能となります。

(図5-5)
リスク分散ポートフォリオのリスク・リターン 《 提供:モーニングスター(株) 》

(図5-5)リスク分散ポートフォリオのリスク・リターン

※1 2012年6月末までの過去10年間のデータで計算

※2 国内債券:NOMURA-BPI総合、
先進国債券:シティ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)、
新興国債券:JPモルガンEMBIグローバルディバーシファイド(円ベース)、
国内株式:TOPIX(配当込み)、
先進国株式:MSCIコクサイ指数(配当込み、円ベース)、
新興国株式:MSCIエマージング指数(配当込み、円ベース)

※2 円ベースはTTMにて円換算 ※4 リスク分散ポートフォリオは、各資産への資産配分比率5〜50%という制約条件の下でポートフォリオのリスクを最小化する資産配分を計算

補足)投資信託の法制度の見直し

近年、個人投資家は投資信託への投資を通じて、様々な資産や運用手法の商品にアクセスすることが可能になっています。その一方で、投資信託の多様化・複雑化に伴い、投資家は投資信託の仕組みやリスクなどを事前に十分に把握することが可能なのか、といった点に疑問符がつきはじめています。

こうした状況を受けて、投資家が資産を安心して有効に活用できる環境整備を図るため、2012年3月より投資信託・投資法人法制の見直しが議論されています。具体的には、(1)投資家が商品内容等への理解を深めるための運用報告書などを含めた開示方法の見直し、(2)投資信託の仕組みの複雑化・リスクの複合化に伴う情報提供のあり方やリスク量の制限などについて、2012年末までに具体的方針等が決定する見込みとなっています。

当コンテンツの中でも、「リスク分散」の考え方などについて触れてきましたが、こうした変化に対応した情報を投資家の皆様にいち早くお届けしたいとの考えに基づきます。

ふくろう教授
資産運用の知恵袋
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