第3章 これからの資産運用の鍵となるのは「リスク分散」

これまでの結果を踏まえると、今後の資産運用ではリターンよりもリスクに着目することの重要性が高まっています。これまでは、投資家が必要とするリターンを基準にして資産配分を決定するという方法が一般的で、投資家自身のリスク許容度はそれほど重要視されてきませんでした。しかし、世界経済が混迷の度合いを深めている現状を考慮すると、今後は「どの程度のリスクを取れるのか?」ということを決定してから投資対象資産を選定し、資産配分を組むことが必要となるでしょう。

そこで、よりバランスのよい資産運用を実現するためには、投資対象資産をリスク水準で分散する「リスク分散」を行うのが効果的といえます。長期の資産運用の際は、リスクが一定水準以上の資産に偏り過ぎないような資産配分が必要です。過度にリスクを取りたくない投資家は、リスクの低い資産を中心にポートフォリオを構築するとよいでしょう。

なお、最近では、通貨選択型ファンドなどのリスク構造の分かりにくいファンドが増加傾向にあります。通貨選択型ファンドは新興国債券やハイイールド債券、グローバルREITを投資対象としているファンドが多く、こうした資産クラスを投資対象とする一般的なファンドよりもリスクは高い傾向にあります。また、通貨選択型ファンドの中には、国内株式と同等かそれ以上にリスクの高いものがある点には注意が必要です。

(図5-3)
主要資産を投資対象とするファンドのリスク水準 《 提供:モーニングスター(株) 》

(図5-3)主要資産を投資対象とするファンドのリスク水準

※1 2012年6月末時点の過去10年間の標準偏差(年率)

※2 各資産は以下のモーニングスターが定めるカテゴリーに属するファンド
国内債券:国内債券・中長期債
先進国債券:国際債券・グローバル・除く日本(F)
新興国債券:国際債券・エマージング・複数国(F)
国内株式:国内大型ブレンド
先進国株式:国際株式・グローバル・除く日本(F)
新興国株式:国際株式・エマージング・複数国(F)

※3 リスク水準は上記カテゴリーに属するファンドの2012年6月末時点の過去10年間の標準偏差(年率)の平均値

(図5-4)
通貨選択型ファンドのリスク水準 《 提供:モーニングスター(株) 》

(図5-4)通貨選択型ファンドのリスク水準

※ 2012年6月末時点の過去1年間の標準偏差(年率)

※ 各資産は以下のモーニングスターが定めるカテゴリーに属するファンド
新興国債券:国際債券・エマージング・複数国(F)
ハイイールド債券:国際債券・ハイイールド債(F)
グローバルREIT:国際REIT・グローバル・含む日本(F)

※ リスク水準は上記カテゴリーに属するファンドの2012年6月末時点の過去10年間の標準偏差(年率)の通貨選択型ファンド、それ以外の平均値をモーニングスターが独自に計算したもの

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