第1章 パフォーマンスと投資家の人気は必ずしも一致しない

リーマンショック前の2007年12月末までの過去3年間のカテゴリー別トータルリターンランキングをみると、BRICsを中心とした新興国株式が中心となったほか、先進国株式も上位に入っています(図3-1)。

一方、同期間の純資金流入ランキングをみると、バランス、先進国債券、先進国株式が上位に入りました。パフォーマンスと人気が概ね一致したのは先進国株式だけで、パフォーマンスがよかった新興国株式への資金流入はそれほど大きくありませんでした。

(図3-1)
カテゴリー別トータルリターンランキング(2007年12月末時点) << 提供:モーニングスター(株)>>

カテゴリー名 トータルリターン
3年(年率)
順位 純資金流出入
累計額(億円)
順位
国際株式・中国(為替ヘッジなし) 51.32 1 -959 65
国際株式・インド(為替ヘッジなし) 47.82 2 4,030 13
国際株式・中国(為替ヘッジあり) 40.77 3 -399 59
国際株式・エマージング・単一国
(為替ヘッジなし)
40.64 4 69 28
国際株式・エマージング・複数国
(為替ヘッジなし)
35.77 5 2,995 14
国際株式・エマージング・複数国
(為替ヘッジあり)
24.70 6 -211 53
国際株式・欧州(為替ヘッジなし) 19.62 7 1,719 19
国際株式・グローバル・除く日本
(為替ヘッジなし)
18.47 8 14,898 8
国際株式・グローバル・含む日本
(為替ヘッジなし)
16.17 9 38,645 3
コモディティ 16.06 10 -381 60

※1 公募追加型株式投信(DC、SMA、ETF除く)

※2 各ファンド分類はモーニングスターカテゴリーに基づく

リーマンショック後の2011年12月末までの過去3年間のカテゴリー別トータルリターンランキングをみると、リーマンショック前と同様に新興国株式が中心となったほか、海外リートやハイイールド債券が上位に入っています(図3-2)。

一方、同期間のカテゴリー別純資金流入ランキングをみると、ハイイールド債券、リート、オセアニア債券ファンドが上位に入りました。同期間でも、パフォーマンスのよかった新興国株式は人気の低迷が続きました。また、ハイイールド債券とリートは、人気の低かった為替ヘッジありのほうが、パフォーマンスが良好でした。

(図3-2)
カテゴリー別トータルリターンランキング(2011年12月末時点) << 提供:モーニングスター(株)>>

カテゴリー名 トータルリターン
3年(年率)
順位 純資金流出入
累計額(億円)
順位
国際株式・エマージング・単一国
(為替ヘッジあり)
35.89 1 -62 46
国際株式・ロシア(為替ヘッジなし) 24.45 2 -224 50
国際REIT・特定地域(為替ヘッジあり) 22.25 3 -38 43
国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし) 18.78 4 -1,912 61
国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり) 16.79 5 1,653 14
国際株式・エマージング・複数国
(為替ヘッジあり)
16.68 6 3,074 13
国際株式・エマージング・単一国
(為替ヘッジなし)
16.00 7 494 20
国際REIT・特定地域(為替ヘッジなし) 15.07 8 21,482 2
国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし) 14.78 9 40,284 1
国際株式・北米(為替ヘッジあり) 14.76 10 -2,711 64

※1 公募追加型株式投信(DC、SMA、ETF除く)

※2 各ファンド分類はモーニングスターカテゴリーに基づく

パフォーマンスや人気でファンドの良し悪しを判断できるものではありませんが、このように金融危機を契機にランキングが一変することもしばしばです。私たち日本人は「円」を売って「海外資産」に投資しますので、外国為替市場の影響を受けやすい通貨「円」で「海外資産」に投資する以上、良きにせよ悪しきにせよ為替変動の影響を大きく受けるということも忘れてはいけません。
パフォーマンスランキングの結果を見ても、金融危機前は「為替ヘッジなし」、金融危機後は「為替ヘッジあり」が高パフォーマンスをあげているのがわかります。

では、私たちは、金融危機に備えてどのように投資すればよいのでしょうか。 次の章で見ていくことにしましょう。

資産運用の知恵袋
  • 金融危機とこれからの資産運用
  • 金融危機と欧州不安
  • 金融危機後の個人投資家の動向
  • 金融危機後の人気ファンドとパフォーマンス
  • パフォーマンスと投資家の人気は必ずしも一致しない
  • 分散投資で人気に流されないリスクを抑えた運用が必要
  • 分散投資の有効性
  • これからの資産運用の考え方
  • 老後資金はいくら必要?
  • 年代別資産運用セミナー
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