第2章 金融危機の前後で投資家の注目は一変

欧州財政危機のような金融危機が起きると、その前後で投資家は投資行動を変化させる傾向があるとされています。実際に、金融危機が起きる前後の各資産クラスに対する資金の純資金流出入動向をみると、リーマンショック前は先進国株式、債券およびバランスに資金が集中していましたが、リーマンショック後は新興国債券、ハイイールド債券、国際リートに資金が流入しました(図2-2)。こうした資産クラスは高い分配金利回りに特徴があり、実際に投資家も高い分配金を受け取ることができたケースも多かったことから、投資家の分配金に対する注目度は一段と高まりました。

投資家の分配金に対するニーズを満たすため、従来の株式や債券などといった投資対象資産に加えて、投資対象通貨も選択できるように設計された毎月分配型の通貨選択型ファンドが立て続けに設定されたのもこの頃です。最近ではこれらに加えて、為替などのオプション取引も収益源とするプレミアム型ファンドも設定されるようになりました。

これらの商品は、個人ではできない複雑な投資を手軽にできる一方、価格が変動する理由や複合化されたリスクの説明・理解が困難であると指摘されており、複合化するリスクを一定限度にとどめる規制の強化も議論されています。

(図2-2)
カテゴリー(大分類)別月次純資金流入額の推移 《 提供:モーニングスター(株) 》

(図2-2)カテゴリー(大分類)別月次純資金流入額の推移

※1 公募追加型株式投信(DC、SMA、ETF除く)

※2 各ファンド分類はモーニングスターカテゴリーに基づく

資産運用の知恵袋
  • 金融危機とこれからの資産運用
  • 金融危機と欧州不安
  • 金融危機後の個人投資家の動向
  • 金融危機を背景に関連ファンドの純資産額は大きく減少
  • 金融危機の前後で投資家の注目は一変
  • 金融危機後の人気ファンドとパフォーマンス
  • 分散投資の有効性
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