タイムリーレポート

金融市場NOW2012年05月号

IMFの追加拠出の効果と今後の注目点

4月20日に閉幕したG20財務相・中央銀行総裁会議は、国際通貨基金(IMF)の融資能力拡大のために4,300億ドルの追加拠出を表明しました(グラフ1)。しかし、拠出額は当初計画の6,000億ドルからは後退、内訳をみてもユーロ圏が2,000億ドル、日本が600億ドル等の拠出を表明する一方、米国・カナダは追加拠出を拒否、中国とブラジルも拠出額の表明を見合わせるなど、足並みの乱れも目立つ結果となりました。

■グラフ1:IMFへの追加拠出内訳

グラフ1:IMFへの追加拠出内訳

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

州重債務国への追加支援資金としては、3月下旬にユーロ圏の新支援基金(EMS)が5,000億ユーロに増額され、これにIMFの現融資能力3,800億ドル、今回の4,300億ドルを加えると総額1兆ユーロを超える額が確保された形となります(グラフ2)。金額面からは、市場に一応の安心感を与える内容と思われます。

■グラフ2:欧州重債務国への追加支援可能額

グラフ2:欧州重債務国への追加支援可能額

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

 

し、ポルトガルに加え、スペインとイタリアが支援対象となる場合には、必要額も巨額になります。今後3年間の国債償還額と財政赤字(IMF予想)の総額は、3か国で1.2兆ユーロで今回の支援可能資金をも上回ります(グラフ3)。主要国間の足並みの乱れに加え、IMFの資金を全て欧州向に使えるかには異論もあり、今後も市場の懸念は続きそうです。

■グラフ3:今後3年間の必要資金額

グラフ3:今後3年間の必要資金額

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

ペインとイタリアの国債金利は、欧州中銀による長期資金供給オペの効果もあり、一旦低下していましたが、3月以降は再び上昇基調に転じてきています(グラフ4)。今後の債務危機の深刻化を防ぐ上で、今回表明された支援の枠組みを早急に実現できるかが重要となりそうです。

■グラフ4:10年国債利回りの動き

グラフ4:10年国債利回りの動き

出所:IMF、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

 



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