政府・日銀の為替介入について
10月31日に政府・日銀は、今年3回目の円売り/ドル買い介入を実施しました。これを受けドル/円は一時、前日終値比で約5%のドル高となる79円台半ばとなりました。ちなみに今年最初の介入(2011年3月18日実施)は同、約4%のドル高でした。安住財務相は介入スタンスについて「あらゆる措置を排除せず、必要あれば断固たる措置をとる」「納得のいくまで介入する」と強調しました。
今回の介入は、投機的な動きに対処したものと野田首相はコメントしていますが、直近の投機筋の円買いポジションは、過去に介入があった水準以上に積み上がっており、円安方向への巻き戻しが比較的起こりやすい環境で実施されました(グラフ1)。
■グラフ1

出所:各種報道、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
また、通貨オプション市場でも、市場参加者の多くが円高を見込む環境の中で介入が実施されています。グラフ2のドル/円のリスクリバーサル(※)はドル/円のポジション調整を占う上での指標として有効です。過去、同指標が下振れ局面で為替介入が実施されています(グラフ2)。
(※)オプション戦略の一つ、満期、想定元本等が同じOTM(アウトオブザマネー)コールの売り、または買いとOTMプットの買い、または売りを同時に行う取引。
■グラフ2

出所:各種報道、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
■グラフ3

出所:各種報道、ブルームバーグのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成
※2011年は1月〜8月までの合計値
今回の介入規模は現状では不明ですが、年間の
経常収支、資本収支と介入の大まかな為替需給を見ると、2011年は経常収支の黒字は縮小傾向にあるものの、対外証券投資が落ち込んでおり、その分、潜在的な円高圧力が燻り続けることになっています。それを介入が抑制している状態といえます。今後も断続的に介入が実施された場合は、需給的に一定の円高抑制効果があるものと考えます(グラフ3)。
※日本銀行・財務省発表の国際収支総括表では、外貨準備高増(及びグラフ3の介入額)の場合は資金の海外流出であるためマイナス、外貨準備高減の場合は海外から資金が流入するためプラスで表記される。